2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『漱石 母に愛されなかった子』(三浦雅士著、岩波新書)を読む。 夏休みの課題図書に必ずあったせいか、夏になると漱石の作品やそれに関連する書物を読みたくなる。そこで今回読んだ本。母に愛されているかどうかという根源的な懐疑に苛まれていた漱石とい…

『資生堂という文化装置』(和田博文著、岩波書店)を読む。 『戦前昭和の社会』(講談社現代新書)が面白かったところに出版されたので、大部な本だったが購入。 副題に1872-1945とあるように、明治五年に資生堂が洋風調剤薬局として開業されてから敗戦まで…

『犯罪』(フェルディナント・フォン・シーラッハ著、東京創元社)を読む。 ベルリンで刑事事件弁護士としても活動しているという作家の犯罪にまつわる短編集。11の物語が収められているが、トリックや推理が主題ではない。犯罪を犯した人間が主題であるが、…

『経済成長は不可能なのか』(盛山和夫著、中公新書)を読む。 ピンチの時にはチャンスがあるとすれば、震災後の日本にも経済成長のチャンスはあるのか。デフレに財政難、円高、少子化という四重苦を抱えた日本への処方箋を示した本。著者は行財政改革でのム…

『世界で一番美しい元素図鑑』(S.グレイ著、N.マン写真、創元社)を読む。 図鑑が子供の頃から好きだった。でも年をとるにしたがい見ることが少なくなるのも図鑑という本だ。本書は忘れかけていた図鑑を繰る胸のわくわく感を呼び覚ましてくれる。しかも元素…

『大腸菌』(K.ジンマー著、NHK出版)を読む。 表題のとおり、この本の主人公は大腸菌・・・一つの名前でこう呼ばれるけれど本書の中でE.コリ君が見せる顔は実に時間的にも空間的にも幅広い。遡ればE.コリの祖先とサルモネラの祖先が分岐したのは恐竜が栄えてい…