2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ソウルダスト』(ニコラス・ハンフリー著、紀伊國屋書店)を読む。 『赤を見る』の著者である進化心理学者である著者が意識にはどういう意味があるのかについて考察した本。題名の「ソウルダスト」とは、意識をもつ私たちが外界のさまざまな対象に投影する…

『知識と経験の革命』(ピーター・ディア著、みすず書房)を読む。 17世紀に起きた科学革命はどのようなものであったかを16世紀の科学と対比させながら解説する本。巻末の解説によれば、本書は、アメリカ科学史学会が英語で出版された一般読者向けの科学史を…

『意識は傍観者である』(デイヴィッド・イーグルマン著、早川書房)を読む。 神経科学を専門にする著者は、本書で脳という精巧な器官は、意識下で多くの仕事を並列で処理していること、それはつまり自分だと意識している「自分」とは、すべてを知っているオ…

『居心地の悪い部屋』(岸本佐知子編訳、角川書店)を読む。 巻末に訳者が書いているように、「うっすら不安な気持ちになる小説」を集めた短編集。「どこかに行こうとして電車に乗るのだけれど、乗りまちがえて全然ちがう場所に着いてしまう」ような感覚を、…

『日本語雑記帳』(田中彰夫著、岩波新書)を読む。 メディアの言葉や外来語、方言、漢字などにまつわる豊富な話題を集めたエッセイで、随所に楽しい話題がちりばめられている。例えば方言については、東日本と西日本の方言の違いはよく取り上げられる話題だ…