2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『宇宙が始まる前には何があったのか?』(ローレンス・クラウス著、文藝春秋)を読む。 本書は最近二十年間の宇宙論についての進歩を解説し、今宇宙のどのようなことまでが明らかになっているのかを教えてくれますが、それ以上に著者の科学者としての姿勢が…

『人質の朗読会』(小川洋子著、中央公論社)を読む。 2012年の本屋大賞を受賞した小説を1年遅れ(発刊からは2年)で読む。海外ツアーに行った邦人8人が現地のゲリラによって人質になり、そのまま帰らぬ人々となった事件の後で、公開された8人の朗読会の記…

『記憶のしくみ』(ラリー・R・スクワイア、エリック・R・カンデル著、ブルーバックス)を読む。 記憶は脳のどこでどのような仕組みでつくられるのかを基本的なことから最先端のことまで解説した本です。著者の一人、エリック・R・カンデルは、アメフラシを…

『自己が心にやってくる 意識ある脳の構築』(アントニオ・R・ダマシオ著、早川書房)を読む。 意識と肉体の関係は近代哲学の始まりから哲学の喉元に突き刺さった小骨でした。哲学を語り出すときに声を出すたびにこの小骨は痛みを生みます。それと一緒に問い…

『自然を名づける』(キャロル・キサク・ヨーン著、NTT出版)を読む。 著者はアメリカの進化生物学者ですが、母は日本人ということで、幼い頃食卓にさまざまな魚がのぼったことや飼っていた金魚の想い出などが本書の終盤で語ら、著者の”魚類”への愛情が告白…