2011-04-21 ■ 短歌 春祝いワイングラスに日曜の午後の光も満たし飲み干す恋をするレンズを通して見た君を私の海馬に定着させる服を脱ぎ鏡の中の隣人に恋打ち明けて夜は明けゆくレーテーの河行く舟に眠れども忘れがたきは君のくちづけまどろみの吐息は銀の蝶となり蜜の滴る汝が花へ翔ぶ春の野で抱かれし後のぬくもりは気怠き彩(いろ)の花となり咲く待ちわびて指にリボンのお呪い私の声が届きましたか海風に火照る体をさらしつつ夜明けの夢の君思い出すこの靴を履けば世界のどこにでも君の背を追い駆けていけそう