雨だれはやさしく傘を伝わって恵みの意味を手へと伝える

雨粒に映える森羅万象に恋の行方も書かれているのか

まだ暗き空より注ぐ雨粒にモナドの影と響きとをみる

雨を聴くその透明な旋律に広がる宙(そら)のランドスケープ

真鍮の杯に葡萄酒満たされて終わり迎えぬ石楠花の花期
 (oliveさんの歌を見て)

早春の雨降り注ぐ坂道を双魚宮なる友二人行く

わが恋は成就するかの問いかけに黙し答えぬ澄ました男雛

耕しの土塊潰す手の黒さ

肩抱かれ君と濡れたき春の雨