わが胸に潮満ちゆきて眠る夜母に抱かれし海を求める

花と咲けわが恋心行く末は乱れ散るとも悔やむことなし

添い歩く足軽やかにしてくれる春色の靴一人で磨く

朝ぼらけ春外套に包まれて一人さまよう桜迷宮

七分咲き八分九分へと開きゆく桜は時の流れを語る


春嶺の気も新しく靴磨く

床の間の黄水仙まで光這ひ